本当に社員個人の責任? デスク周りや事務所が片づかない理由
個人で要・不要を判断をしているオフィスは片づかない
家でも会社でも、実は自分のものを片づけるのが1番簡単です。なぜなら個人で要・不要を判断するから(難しい方も多いんですけどね)さらにオフィスは、他人と価値観や判断基準を共有しつつ、要不要・どこに置くか等を決めていかなければならなず、その過程で、コミュニケーションの問題が発生し、さらにハードルが上がるケースも。とても難しいことだと。経験からそんな風に感じています。
だけど「判断基準」と「戻す場所」をルール化しておけば、誰も何も迷わずに全員があっという間に片づけられる。みんながすぐに元の場所に戻すようになり、リバウンドしないんですよ。これ、オフィスの片づけの特色です。
新入社員でも片づけられるために必要なこと
片づかないオフィスにおける根本原因は「ルールがないこと」だと私は考えています。共有の事務用品や書類をしまう場所、コピー用紙の1か月あたりの保管量、そしてこういうモノは処分しようという条件、統一化されたルールがありません。
だから、処分できず、でも置く場所もない。どうしても自分の机回りに置きっぱなしになります。逆に言えば、このルールがあれ「今日入った新入社員でも」片づけることができますよね。
ファイリングシステムを導入いただいた企業様の社員さんも「置く場所がないから、自分が持っていた」「しまう場所ができたから、そこに戻すだけでよくなり、机に書類を置かなくてよくなった」という声をよくいただきます。これまさにルールがあるから、ルールを作ったからこそいただけるお声です。
所属長次第で、部署が散らかったり片づいたりしませんか
片づけにルールなく、個々人に判断を任せている企業の特色として、その職場の所属長の片づけ能力がその部署のスペースに発揮されるということがあげられます。「とりあえず置いておいて」という上司・所属長が長く在籍している部署はモノが溢れます。
一方で、移動してきた所属長が「そんな古いのもう誰も見ないよ、捨てて捨てて」という方だと、その部署は一気に片づいていきます。これ、ルールがあれば、誰が所属長でも同じように片づいているはず。あるある…と思われた場合、ルールなく個人にゆだねられている状況であることは間違いないですね。
ルール具体例の一例:名刺をスキャンしてすぐ処分する企業
以前訪問したある企業様は、名刺の管理についてこんなルールを設けていらっしゃいました。「社員全員、もらった名刺は3日以内にスキャン。全員で共有の場所にデータで保存。すぐ処分」と。
このルールがあるのでこちらの社員さんは、全員名刺が手元に1枚もない。↓のような名刺管理ノウハウなんか一切不要。これも効率的な考え方の1つです。
情報共通、書類データ共有の概念
また「共有」という概念のない企業、「共有」といいながら、共有場所に必要な物がない。これも多いですね。
共有が成立しない→捨てたら情報が無くなってしまう→処分できずに抱え込む。
完全な悪循環です。これも運用ルールがあれば要不要を、会社のルールで判断できます。一人でお仕事抱え込みがち=共有ベタ=片づけベタという印象もありますが、これは「個人が仕事を抱え込む・共有する環境を作れていない」ということ。これも会社のルール次第で解決が見いだせると考えています。
まずは自分の周りから、できることから、ルールを作っていく
そのため私たちがコンサルティングを行う時は、言葉の定義を定め、文書管理規定を作るところからスタート。元に戻すタイミング、チェックリストの更新までルール作ります。だけど、内部からでは難しいですよね。もちろん他の係やグループ、他部署、会社全体のルール作りに関わってきます。
そこで、ご自分の関わる最小単位の人数で、実行しやすいルールを作っていただくことからお勧めしています。共有の書類はここに置こう、こういう書類は処分していこう、名刺の管理は全員この形で統一しよう。できるところから進めていってください。身近な周囲だけでも、うまく動き始めれば、毎日の仕事が非常に快適になるはずです。
さらに実績をかさねれば、そのルールを、係りからグループへ、所属へ、部門へと広げていきやすくなります。
オフィスファイリング®もできる範囲から
オフィスファイリング®も、会社としての導入は難しいかもしれません。ただ、やはり上記のように、私の元へファイリング講座を受講に来られた方が、ご自身のグループ内だけ個別フォルダを利用した管理をスタートされました。職場が非常に快適になったという感想を、後日多数いただいています。こちらも、できるところ、身近なところ。自分の周りからスタートしてみてください。
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