社内環境改善(2SF)ファイリングスタート 松村工業株式会社様(12月)
2020年12月4日(金)途中経過・リーダーの声かけと、段ボールの早速の改善
研修の1週間後、2Sリーダーが社員のみなさんに送ったメールを、共有いただきました。
全体への作業ファシリテイトメールでしたが、リーダー自身の取り組み進捗状況をふくめながら書かれており「リーダーも頑張っているんだな」というのがわかる内容になっていました。他にも「研修時に『あれ危ない』と、みんなで気づいたダンボール、〇〇さんが早速おろしてくださいました!」とbefore/afterの写真もメールで共有されていました。
撤去くださった方の行動・実践の速さに驚き。
また、全什器類に早速番号を貼ってくださっていました。中が整理され、モノがほぼなくなりつつあります。最初に整理を徹底することがのちの収納を楽にする秘訣。BAV講座の内容に沿って、作業を進めていただいています。
2020年12月14日(月)スローガン決定「整理整頓で安全・快適な環境づくり」
話し合いと投票の結果「整理整頓で 安全・快適な環境づくり」に決定したと、ご連絡をいただきました。ただすっきり気持ちよいオフィスにすることではなく、この活動を通じて安全に効率的に働ける環境を作ることが大事。このスローガンにみんなで決まるというのは、整理整頓による環境改善の効果が、具体的に共通認識されているからこそだと思います。また、社内・内部環境という見えにくく、即評価・利益に結び付きにくい地味な活動です。だけど、真に取引先やお客様をもてなすため・心を馳せるためにこの活動をしていこうというのも、スローガンの後ろにある意図。これも研修を通じて話合ったからこそで実はとても奥の意味の深さがあります。
こちら表彰の様子。左が松村社長。スローガンを作成された社員様に金一封!お二人とも笑顔。
後日訪問したらスローガン、きちんとはりだしてくださっていました。さあ、スローガンも決まり、いよいよ本格的に作業もスタートです。
2020年12月16日(水)訪問「ファイリングサポートスタートアップ研修」
【説明会】
片付けの基礎を進めていただいてから、ファイリングスタート。初回60分のファイリングの概要説明を、社長と各部署・各管理のリーダーのみなさまに受講いただきました。(写真忘れてしまい…研修の雰囲気がお伝え出来ず、申し訳ありません)日々の運用イメージ、用品の説明、今後年1回のトータル管理の作業概要、そしてこれから導入していくにあたり、どのような作業がいつ頃発生する予定なのかなど、お話させていただきました。
【事務所内で現物を見てサポート】
説明修了後は事務所内で実際の書類を見ながら、個別にリーダーのご質問に答える形でサポート。「この書類って、こんな風に個別フォルダにいれたらいいですか?」「サイズが違うもの、量が多いこれはどうしたらいいですか?」具体的に手に取りながらの現地サポートが1番説明がしやすく、またいろんな代替案も出しやすいです。これからまた日々作業を進めていっていただくにあたって、ぶつかりそうな壁、今から次回訪問までに進めていただく作業段階で疑問に思うことをすべてなくすという目標をもって訪問しています。
【ファイリングシステムを導入するということは、業務改善が必ずついてくる】
ある方が「この簿冊、どうフォルダ化しましょうか」ときれいな見出し付き簿冊に収納されている、見積書ファイルを持参されました。中身は何か…とみんなで見ていると、どうも「営業・経理・事務担当者様が同じ書類を持っているのでは?」という話へ。そして話し合う中で、各々所有目的、利用シーン、バージョン管理も違うということが判明。だけどみんなでこれをばらばらに持つのは非効率、というのが全員一致の見解でした。
「誰が、どういう目的でその書類を使っているのか」というところで、すり合わせの相談が始まりました。担当者様3名の話し合い、その場に社長も同席でお話を聞かれています。使用目的や保存の必要性は、普段の事務仕事の進め方・先方の企業様との関係性なども踏まえ、総合的な判断が必要。真剣な議論の結果、全員が納得する形で1つの管理方法・流れに決定しました。
以前からこの管理方法に対して「ベストではない、何とか改善できないか」「こうすればいいのに、こうできないか」と、各自が小さな疑問を抱きながら、そのままになっていらした様子でした。そこで社長がおっしゃったのが「こんな風に決まっていないもの、曖昧なまま運用してきた業務の流れを見直す、ルール付けをするいいチャンス」と。そしてそれに対して社員様の返事が「そうですね、やるなら今ですね」と。
当初意見が違う内容、しかも各々の業務に直結する内容なので、真剣に話し合うと精神的にも負担は大きいのです。しかし、その分改善されるコトも大きいのがファイリング。ここで発生するのが、モノの改善から → コトの改善です。私がファイリングシステムを導入する企業様には、大なり小なりこの作業はこれまで毎回必ずついてきました。実はこれまでの経験上、ここで1番大事なのは、1つの目的のために相談できる人間関係の土台があってこそ、ファイリング導入=書類の流れ見直し=業務改善 につながるということです。業務に精通していることも大事ですが、役職や部署もつく人間関係の中で、どちらかが一方的な態度をとればこの相談は成立しません。だから片づけはチームワークも重要になってきます。
【余談】カラーのスティックファスナーが
ファイリングに携わり、もう20年以上。こんなブルーとピンクのスティックファスナーの存在、初めて知りました。めちゃかわいいじゃないか。ネットでも売ってない。以前小ロットのファスナーや軽いファスナーなどさんざん探したけど(無印で8本入りが出た時、嬉しくてシェアしたのが昨日のことのよう)このカラーファスナーは見たことなかったです。
このファイリング導入の研修中に「個別フォルダは、スティックファスナーを組み合わせるといろんな使い方ができます」ってご紹介したら「こんなんあるよ」と持ってきてくださったんです。松村工業様で扱っていらっしゃる商品だった!
ファイリング用品って希少で、カラーやサイズ、質感、強度が違うものを片っ端から試し、コレクションのように置いている私。もう「ナニコレ!!出会えた!しかも松村工業さんが扱っていらっしゃるなんて!」と超絶テンション上がってたんです。でもみなさん「え、これそんなに希少ですか?」くらいの感じで、誰も共感してくれない…!私がおかしいのかー、ってちょっと恥ずかしくなるくらい(前回の、名刺整理箱に続く)。でも、ホームファイリング上級生に見せたら、食いついてくれるはず!
ちなみに一緒に写真に写っているグレーのファスナーは、なんと足が短いタイプ…!これも珍しい。ちなみに短い理由が、また勉強になりました。
2020年12月16日(水)訪問 モノの改善も進み中
訪問時、色々改善されていたのですが、まずは1番嬉しかったことをご紹介。机にモノがいっぱいで、11月末の研修終了後に「片づけ苦手で…やり方教えてください」っておっしゃってくださったAさんの机が、すっきりされていたこと。机の手前半分が完全に何もない状態。あの後、一人で取り組んでくださったんですね。普段は、片づけ苦手な方のサポートが自分の使命だと思っているので、かなりぐっときました。
また私の感覚的には、Aさんの机がきれいになったことで、きれいに見えていたはずのAさん以外の周りのモノが目立ってきていました。おそらく写真を撮ると一目瞭然でしょう。徐々にキレイの連鎖が起こり、改善が改善を生んでいく流れができてきています。
【改善事例、写真ご紹介】
before1 各引き出しに雑多に入っているモノ。書類も倒れてきて平済みに。
使うなら出しにくいので収納のひと工夫をしたいし、使わないなら、取り出したいところです。↓
after1 整理の結果、電卓、コードと、紙1枚になりました↓
before2 モノが収納量100%で入っています。
見た目の美しさのためよりも、先に、モノが探しにくい、引っかかって出しにくそうという効率アップのための改善をお手伝いしたくなる机↓
After2 たった2週間でこんなにすっきり↓
引き出し2つ空っぽに!片づけが苦手だとおっしゃっていた方の机とは、誰も信じられないですね。「自分は片づけ苦手できない」なんていう問題ではなく「整理・収納理論を学んだことがあるか、作業手順を知っているか」これだけに付きること、証明してくださったなって思います。職場の自分の机の片づけに悩んでいる方が、勇気づけられる事例です。
今、机の上に載っているのは書類だけ(ちゃんと、立ててくださっています〇)これもファイリングシステム導入で追ってゼロになり、さらにすっきりしていきます。快適な机だと、仕事がはかどりますね。
この作業段階では、整理だけを徹底していただいており、収納のサポートには全く入っていません。それでも整理=全出しで分ければ、整理収納アドバイザーのステージ理論でいう「ステージ2=スマイルマークがなくなる」まで行きます。全体の総量の把握ができる状態にまでなっている。だからまだ収納のアドバイスをしていないのい、十分使いやすそうに自然となっています。とにかく何より整理が優先というのもわかりますね。
【リーダーの工夫が後押しに】
各自が机周りに置いているサンプルをすべて出せるように「処分・迷う・おいておく」の段ボールを設置を実践。
研修の内容を応用してくださったリーダー独自の整理の工夫。「みんなが出しているなら、自分も出せる・出そう」と分けて置くことを加速させます。箱にはすでにいろいろなものが入っていました。これリーダーがみんなの仕事を理解し「どう表現すればみんなの整理が進むか」と考え、寄り添っていらっしゃるからこそできる工夫。素晴らしい。
こちらは扉裏に、以前から鍵の色別管理がされているのですが、こちら松村工業様の商品だそうです。5Sでは、カラーのテープやテプラを使って、識別管理されているのは見かけますが商品があるなんて。柔軟に色の変更の応用ができますね。
2020年12月26日(金)途中経過・端、足元すっきり
年末お忙しい中、途中経過伺いの連絡をさせていただいたところ、以下の写真が届きました。
初訪問時から気になっていた、事務所の端の隅っこに置かれていたモノたち。こちらがすっきりなくなっていました。
【before】モノが通路を防いでしまっており、通ることができません
ダンボールの上のさらなるダンボール、そして紙袋。うずたかくどんどん積まれている様子から、下の方が不要なものであるだろう、という予測をしていました。これはどの会社も、ご自宅でもよくある光景です。下の方へ行くほど昔のモノなので、そこをアプローチすると、整理が進みます。
【After】通路、誰でも通ることができますね
最初お写真拝見したとき、違う場所かと思い何度も確認しました。Beforeの写真では扉につるされたり、貼られたりしているモノも、撤去。必要なモノとお聞きしていたので、おそらく中の方を整理されることでそこへ移動されたのかな。扉が1面何も貼られていない、面としての美しさも強調されてきます。
【積極的な活動で、スケジュールが1か月前倒しに】
松村工業様は、リーダーをはじめ社員様が自発的かつかなり積極的に活動されています。どの企業さんもこんな風になさるかというと、全くそんなことはありません。期限が来ても作業が完了していなかったり、全然進む様子がなく、半ば押し売りのように慌てて訪問し、一緒に作業させていただく企業様の方が多いです。こういった中で想定の倍のスピードで進めてくださっているため、社長へスケジュール前倒しのご提案をしたところ「可能な限り早めに終了させたい」ということで、スケジュールを想定の1か月前倒しで進めることになりました。これは私は初めての経験です。
早めのスケジュールができると「丁寧に洗い出しする」「分類や置き場を吟味する」等、検討する時間をしっかり確保できるので、完成度が上がります。締め切りに間に合わせるようにやっつけで結果を出した形と、吟味されたうえでできた形は、見た目は同じでも全然違う。よりよい改善活動につながります。
次回、1月の訪問の時には、モノの整理・書類の整理が終了済みで、必要なモノだけを分類ごとにひとまとめ→さらに不要な収納用品たちが見えてくる。そして簡単に使いやすくなるよう大きめの収納から進めていきます。
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