大栗紙工株式会社様(長期コンサル)(インタビューその1)
企業名 | 大栗紙工株式会社様 |
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従業員数 | 32名 |
ご依頼のきっかけ | オフィスのリフォーム |
導入期間 | 6ヵ月 |
訪問・ミーティング回数 | 27回 |
経営者視点から見たオフィスファイリング ― 代表取締役 大栗康英様・取締役 大栗佳代子様のご感想
オフィスファイリングを導入すればこうなる、という明確なイメージがあった
「大阪商工会議所で長野さん(オフィスミカサ代表)のセミナーを受講して、ファイリングがどういうものかは理解できていました。受講後、家庭でホームファイリングを実践してみたので、これが会社全体になる・必要な書類を誰でもすぐに取り出せるようになる、という明確なイメージを持っていました。」(大栗佳代子様)
ファイリングシステム導入のきっかけは、社屋のリフォームです。総務・経理など一部の事務機能は近隣の別オフィスに移転、その他製造関連などの事務所はリフォーム後の社屋に残すことになりました。そのため、社内の書類をすべて移動させなければならないので、この機会にオフィスファイリングを導入してはどうかと社内で検討して導入を決めました。
移転にともない、処分すべき書類・残すべき書類の取捨選択をする必要があります。これまで自社ルールで整理していた書類管理を、プロのノウハウでやり直すなら今このタイミングだと思ったんです。 大阪商工会議所での受講後も、ずっとLINEやFacebookを通じてオフィスミカサの情報を見ていたので、他に依頼するという選択肢は考えていませんでした。
自社ルールでの書類管理を変革するために、外部サポートの必要性を痛感
リフォーム前は事務所のスペースが限られていたこともあり、保存年限を過ぎたものはできるだけ処分するなど、自社ルールではありますが書類管理はおこなっていました。簿冊式で、それぞれの担当者は何がどこにあるか大体は把握していて、それなりに整頓できている状態ではありました。 ただ、書類が必要な時に担当者に聞かなければいけない場面も多く、会社として明確なルールの共有が必要だと考えてオフィスファイリングの導入を決定したわけです。
家庭でのホームファイリングの実践から具体的なイメージは持っていましたが、会社全体となるとさすがに規模が違います。実際、会社でのファイリングに取り組んでみると、外部のサポートがないとできないなと痛感しました。 まず、社内の人間だけで管理のルールを相談してつくりあげていくことが難しい。ノウハウを持った指導者が不可欠で、定期的な進捗確認などで「やらなければいけない状況」を作らないと、日常業務のかたわら進めていくことは非常に困難です。
その点、オフィスミカサさんは、ルールづくりから実際のファイリングまで寄り添ってくれる感じ。多少の遅れが出ても理解して調整してくれ、責めることなくサポートしてもらえました。丁寧に進めてくださって、とても満足しています。
オフィスファイリング導入の結果、スペース・効率ともに満足のいく状態に
「自分の担当外の書類を探すのにかかる時間を確認するテストでは、私や社員が30秒ほどで目的の書類を取り出せるようになりました。特に総務・経理関係の書類は取締役に聞かないとわからない状態だったので、これを解消できたのはファイリングの大きなメリットです。」(大栗康英様)
簿冊式の保存からバーチカルファイルに変更するということで、スタート直後は「書類がバラバラになってしまうのでは」という不安の声も社内から聞かれました。が、結果的にそういう心配はまったくなく、バーチカルファイルになったことでファイル自体の厚みがなくなり、省スペースで空間的な余裕が生まれました。
弊社の創業は1930年で、100年近い歴史があります。 昔はB版の書類が主流だったものがA版に変わったこともあり、書類を保存しているファイルのサイズや種類はバラバラ。今回の整理で50年ほど前の学校の記念品ファイルなども使われていたのが見つかり、昔は手近にあるファイルを何でも使ってきたからこうなったんだなという状況がうかがえました。
そうした積み重ねで見た目に統一感がなかった書類棚が、ファイル・ファイルボックスが統一されて整然と美しい印象になりました。 誰でも書類が取り出せるようになっただけでなく、このスッキリ感をファイリングで実現できたことは、大きな収穫だったと思います。
書類のファイリングから、データサーバ内の整理も依頼
書類のファイリングをして、今はデータサーバとパソコンのデータ整理も、オフィスミカサさんにサポートいただいています。 データを分類・保存しているものの、きちんと整理できていないというのはわかっていました。
誰かと共有するために共有権限のフォルダにとりあえず入れるなど、整理のルールが曖昧で守られておらず「あれはどこに入れたっけ?」となる場面もありました。 そういうデータを探す時間が結構かかっていて、これは解消すべき問題だなと。紙の書類と同じく、必要な時に、担当者に保存場所を聞くことなくサッと出せる状態にしなければいけないと思いました。
データ整理のサポートは、まだ第1回目を受けたところですが、保管のルールを紙の書類と統一するということで、非常にわかりやすくなる見通しが立ちました。パソコン内のデータと書類が、同じルールで分類・保管されていれば、紙の書類もさらに探しやすくなると思います。
創業1930年、次の世代にバトンタッチする未来のために
「世代が交代する時、我流でやっていては伝えきれません。オフィスファイリングを導入することで、人が変わっても安心なシステムができる。そういう点で、ファイリングは非常に大きなメリットがあります。会社の規模にかかわらず、長く事業を続ければ世代交代が必ずあるので、引継ぎに備えておくことは重要です。」(大栗康英様)
我々のような製造業の現場では「技術を属人化させず継承していく」ということがとても大切です。書類も、独自ルールで属人化していたものをオフィスファイリング導入により会社の資産としてみんなで閲覧・利用できるようにしよう、というのは同じ考え方なんです。 弊社は現在で3代目ですが、次世代への引継ぎはもう間もなくです。今このタイミングで、ファイリングを実行できて、本当によかったと思います。
世代交代以外でも、例えば社員がコロナの濃厚接触者になるなど数日間出社できないような時、業務をカバーする人間が書類やデータの場所を電話で聞かなくてはわからない、というような事態を避けられます。今後の社会ではリモートワークも進んでいきますから、書類もデータも明確なルールで整理され誰でもスッと取り出せることが大事。そういう意味でも、未来に向けて、いいスタートが切れました。 ファイリングを実施したばかりで、元の置き場所に慣れている担当者がとまどうこともたまにありますが、それも現状を把握するにつれて解消されると思います。
まだファイリングは100%完了ではありませんが、ルールが定まったので残りはそれに従って進めるだけですし、これからの書類も同じようにして、このスッキリ感とわかりやすさを保っていけると安心しています。 次の世代に余計な手間や苦労をかけさせないためにも、これからも改善を重ねながらファイリングシステムを維持継続していきます。
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